セラミック矯正で失敗したケース！デメリットを理解する！

2023年6月18日

歯列を変化させる矯正方法のひとつに「セラミック矯正」があります。治療期間が短期間で済み、矯正器具をつける必要もないことからセラミック矯正に興味がある方は多いかもしれません。

しかし、セラミック矯正には、デメリットや「失敗した」と感じるケースがあります。今回は、セラミック矯正で後悔しないために確認しておきたいセラミック矯正での失敗例や、失敗しないためのポイントなどをご紹介します。

セラミック矯正とは

セラミック矯正とほかの矯正方法との違いや治療の流れ、費用などを解説します。

セラミック矯正は歯を動かさない

よく知られている「ワイヤー矯正」や「マウスピース矯正」では、ブラケットやワイヤー、マウスピースなどを使い、歯に力をかけて移動させることで歯列を変化させます。

しかし、セラミック矯正では歯を動かすことはありません。歯の周りを削り「セラミック」とよばれる素材でできた被せ物をつけることで歯並びを整えます。

セラミック矯正の費用

セラミック矯正は、ほかの歯列矯正方法と同じように、審美治療（見た目をよくするための治療）なので保険が適用されません。歯科医院によって値段が異なりますが、セラミック矯正の値段の相場は1本5〜15万円といわれています。

セラミック矯正の治療の流れと治療期間

一般的なセラミック矯正の治療の流れは、以下のとおりです。

・初診・カウンセリング

・土台をつくる

・仮歯の装着

・セラミックの装着

以下、それぞれ解説します。

初診・カウンセリング

まず、どのような歯並びを目指すのか、セラミック矯正で対応可能かどうかを診察します。

口の状態のチェックや、レントゲン撮影をして治療計画を立てます。

土台をつくる

治療内容に納得し契約をしたあとは、セラミックを被せるための歯の土台づくりをはじめます。

土台づくりではセラミックを被せられる形に歯を削りますが、患者さまの歯の状態によっては神経を抜く処置が必要となる場合があるでしょう。神経を抜く場合は複数回来院し、土台の状態を整えます。

仮歯の装着

土台が完成したら、次は仮歯をつけて数日生活して「噛み合わせに不具合がないか」「見た目の仕上がりはどうか」などを確認します。

セラミックの装着

仮歯の装着で問題がないことが確認できたら、最後にセラミックを装着します。

上記の治療がすべて完了するまで、大体2～3か月程度の治療期間がかかります。歯列矯正は時間がかかるというイメージがある方は多いと思いますが、セラミック矯正は歯を動かす治療ではないため、治療期間はワイヤー矯正やマウスピース矯正と比べて短いです。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正は大体1～3年程度の治療期間なので、2〜3か月で治療できるセラミック矯正はとにかく早く歯並びを整えたい方に向いています。

セラミック矯正の失敗例

せっかくお金をかけて歯列を理想の形に整えるなら、誰もが失敗したくないでしょう。では、セラミック矯正で失敗したと感じる方や後悔している方はいるのでしょうか。

以下、セラミック矯正の失敗例をご紹介します。

噛み合わせが悪くなったように感じる

ワイヤー矯正やマウスピース矯正は、上下の歯の噛み合わせを考慮しながら歯を動かします。

一方、セラミック矯正では、上の歯だけを治療することもできるため、見た目だけを重視して治療を進めると上下の噛み合わせのバランスがおかしくなり、噛み合わせが悪くなったと感じることがあるのです。噛み合わせが悪いと、一部の歯に強い力が加わって頭痛や肩こりの原因となることがあります。

歯髄炎になった

セラミック矯正の失敗例のひとつに「歯髄炎」があげられます。歯髄とは歯の中に通っている神経のことで、歯髄炎は歯髄に細菌が入り炎症を起こしている状態です。

セラミック矯正で必要以上に大きく歯を削られると歯髄に刺激を与えてしまい、歯髄炎を引き起こす恐れがあります。歯髄炎になった場合は、セラミックを取り外し、神経を抜かなければいけません。歯髄炎になると強い痛みを感じることがあります。

歯茎とセラミックの間にすき間ができた

セラミック矯正をしてから長期間経つと、セラミックと歯茎の間にすき間ができることがあります。年齢を重ねるごとに歯茎が下がってしまうためです。

セラミックと歯茎の間にすき間ができると、見た目が悪くなるだけでなく、すき間に汚れがたまり歯周病になる恐れがあります。セラミックは天然の歯ではないので寿命があります。トラブルを最小限におさえるためには、定期的にメンテナンスしなければいけません。

セラミック矯正のデメリットとは

セラミック矯正のデメリットは、以下のとおりです。

・健康な歯を削る

・虫歯・歯周病のリスクが高くなる

・歯並びの悪さを根本的に解決するわけではない

以下、それぞれ解説します。

健康な歯を削る

セラミック矯正は、健康な歯を大きく削る必要があります。場合によっては、健康な歯の神経を抜いてからセラミックを被せることもあります。

一度削った歯や神経を抜いた歯は、二度と元に戻ることはありません。神経を抜いた歯はもろくなってしまうので、歯が欠けるリスクやヒビが入るリスクが高まります。

虫歯・歯周病のリスクが高くなる

歯にセラミックのような人工物をとりつけると、どうしても段差ができてしまいます。段差には汚れがたまりやすくなるので、しっかりケアを行わないと虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。

セラミック矯正には、虫歯になりやすいこと以外に、虫歯の進行に気づきにくいというデメリットがあります。土台をつくるために神経を抜いた場合、虫歯になったときに痛みを感じず、虫歯になったことに気づきにくいのです。その間に症状が進行してしまうことがあります。

虫歯になるとセラミックを外して治療する必要があるので、再度セラミックを製作するための料金がかかります。虫歯や歯周病になっていないか、歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。

歯並びの悪さを根本的に解決するわけではない

セラミック矯正は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と違って歯を動かすことはありません。見た目だけを重視した治療方法であり、歯並びの悪さを根本的に解決するわけではないことを覚えておきましょう。

「セラミック矯正をやったけど、やっぱりワイヤー矯正でしっかり歯列を整えたい」と思っても、セラミック矯正で削った歯を元に戻すことはできません。慎重に検討する必要があります。

セラミック矯正のメリットとは

セラミック矯正のメリットは、以下のとおりです

・後戻りがない

・白さを決められる

・短期間で治療が終わる

・歯が動くときの痛みがない

以下、それぞれ解説します。

後戻りがない

ワイヤー矯正やマウスピース矯正のように矯正器具を使って動かされた歯は、治療後に歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」のリスクがあります。保定装置を数年使用し、後戻りを防ぎます。

しかし、歯を動かさないセラミック矯正は「後戻り」の心配がありません。

白さを決められる

セラミックにはいくつか色の種類があるので歯並びを整えるとともに、歯の白さを選ぶことができます。セラミックはほかの人工物よりも着色しづらい素材でできていて、見た目も天然の歯にとても近いです。セラミック矯正は歯列を整えながら、白さも実現することができます。

短期間で治療が終わる

ワイヤー矯正やマウスピース矯正は、治療に大体1～3年程度かかります。矯正器具をつけて徐々に歯を動かすため、治療期間はどうしても長くなってしまうのです。

一方、歯を動かさないセラミック矯正は2〜3か月程度で治療が完了します。仮歯の期間はあるものの、見た目が変化することはほとんどないので、今すぐ歯列を整えたいという方に向いています。

歯が動くときの痛みがない

セラミック矯正は、歯を動かすことがないので歯が動く痛みを感じないメリットがあります。土台をつくるときに歯を削りますが、神経に近い場合は麻酔を行います。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正のように、歯が動くときの痛みや食事のときの違和感などがないのがセラミック矯正です。

セラミック矯正を失敗・後悔しないためのポイント

セラミック矯正で失敗・後悔しないためには、以下のポイントに気をつけるとよいでしょう。

・長い目で検討をする

・噛み合わせを含めて治療してくれる歯科医師を探す

・定期検診を怠らない

以下、それぞれ解説します。

長い目で検討する

セラミック矯正は、健康な歯を大きく削る必要があります。

大きく削った歯や神経を抜いた歯はもろくなります。今だけを考えず、将来的にセラミック矯正をして本当に大丈夫かどうかをしっかり検討しましょう。セラミック矯正をしたあとに「やっぱりワイヤー矯正で根本的に歯並びをきれいにしたい」と思ってもできないので、慎重に考える必要があります。

噛み合わせを含めて治療してくれる歯科医師を探す

見た目を整えるだけでなく、噛み合わせを含んだセラミック矯正のデザインをしてくれる歯科医師を選びましょう。

噛み合わせが悪いと食べ物が噛みにくいだけでなく、一部の歯に強い力がかかり、頭痛や肩こりの原因となることがあります。

定期検診を怠らない

セラミック矯正の治療が終わったあとも定期的に歯科医院でメンテナンスを行いましょう。セ

ラミック矯正によって神経を抜いた歯は虫歯になっても気づきにくく、虫歯がかなり進行してしまうケースも多いです。セラミックの内側の歯が虫歯になっていないか、歯茎に異常がないかなどをチェックしてもらうため定期検診に行きましょう。

まとめ

セラミック矯正は、歯を動かさないため、歯並びの悪さを根本的に解決する治療方法ではありません。健康な歯を大きく削るため、長い目でみたときに歯がもろくなる、虫歯になりやすいなどのさまざまなリスクがあることを覚えておきましょう。

セラミック矯正をしている方は、失敗や後悔のないように本記事を参考にしてください。

セラミックをご検討されている方は、秋葉原歯科にお気軽にご相談ください。